抄録
モビリティ・マネジメント (MM)は、人々が車利用から公共交通機関や自転車、徒歩などの持続可能な交通へと自発的に行動変容聡することを促すためのコミュニケーションを主体としたソフト施策の総称である。我が国においても、実験的な MMが各地で実施され、その手法と効果が報告されている。しかしながら、我が国の取り組みは、未だ実験的なものに留まっており、広範に実施された事例は無い状況にある。本研究は、国策として MMの本格導入を検討している英国の現状を、文献調査とヒアリング調査により明らかにするとともに、我が国に MMを本格導入する際の課題を抽出するものである。その結果、英国では、国と地方自治体、民間コンサルタント、 NPOのいずれの主体も MMのコンセプトを深く理解して実務に携わっている現状が明らかになった。我が国においても、英国の取り組みの長所を参考にした広範な取り組みが期待される。