皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
尋常性天疱瘡から落葉状天疱瘡への移行例
東 祥子永松 麻紀池田 彩宮崎 明子小澤 健太郎田所 丈嗣
著者情報
ジャーナル 認証あり

2013 年 12 巻 2 号 p. 83-87

詳細
抄録

49歳,女性。1999年に口腔内のびらんが出現し,四肢体幹にも拡大し,生検で尋常性天疱瘡と診断した。ステロイド内服では病勢を抑えることが困難であったため,ステロイドパルス,シクロホスファミドパルス,血漿交換,アザチオプリンなどで加療した。その後病勢は安定し,プレドニゾロンを漸減し,抗デスモグレイン1抗体,抗デスモグレイン3抗体ともに陰性化し経過は良好であった。2009年6月頃から顔面および下肢に小型のびらんを伴う紅斑が出現し,全身に拡大した。生検で有棘層最上部から顆粒層にかけて表皮内水疱と棘融解像を認め,抗デスモグレイン1抗体のみの上昇を認めた。尋常性天疱瘡から落葉状天疱瘡への移行例と考えた。(皮膚の科学,12: 83-87, 2013)

著者関連情報
© 2013 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top