都市計画論文集
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基盤建築の連携化に向けた都市空間計画の策定と実現
千葉県幕張ベイタウンのマスタープランと都市空間形成について
前田 英寿
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.2 巻 p. 25-32

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抄録

本研究は、建築典型を定め、その面的展開を担保する道路と街区を設えることを「基盤建築の連携化」とし、幕張ベイタウンを事例に都市空間計画のあり方を論じたものである。まずマスタープランの策定過程に基盤建築連携化の要因を見いだし、道路と建築が密接する市街地像が起点となったこと、土地利用・基盤・建築を同時に検討したこと、建築典型を試設計で検証したこと、建築・都市・土木・造園の各専門家が協働したこと、調整総括業務を重視して専任者を当てたこと、都市空間の全体像にもとづいて各施設設計を調整する都市デザインを提起したことを明らかにした。次に実際の街並を分析し、主眼の中層沿道囲み型住宅以上に超高層・高層住宅と公共空地が必要だったことを踏まえた上で、高さによる建築形式の分離、公共空地の帯状配置、格子状の街区及び道路構成によって人間的尺度の空間、環境干渉の回避、一体的な都市形態がもたらされたことを明らかにした。

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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