都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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携帯型位置情報端末を用いた観光行動動態の時空間データマイニング
箱根地域を事例として
古谷 知之
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.3 巻 p. 1-6

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抄録

本研究では,時空間クラスタリングとハイブリッド階層クラスタリングを組み合わせた時空間データマイニング手法を提案し,携帯型位置情報端末を用いた観光行動動態のクラスタリング分析を行った.観光行動動態の相関性を考慮した,個人属性と観光動態の相関性を考慮したクラスタ数の自動検出方法も用いた.箱根地域での日帰り・宿泊観光客を対象とした観光行動調査を行い,提案した手法を適用した.分類の結果,日帰り客は18クラスタ,宿泊客は24クラスタに分類された.その結果,観光客の宿泊形態に応じて,「何時台にどのような属性の人がどのような観光地点に立ち寄る傾向があるか」という程度ではあるが,個人属性の組み合わせに応じて観光動態が多様であることを明らかにすることができた.更に,個人属性・観光動態のタイプによって,情報媒体・観光情報利用が特徴付けられることも示された.観光行動動態のクラスタリング結果から,観光行動動態や情報媒体の利用傾向に応じて,観光客ターゲット毎に混雑情報やルート情報を観光施設情報とともに提供することの有効性が指摘されたといえる.

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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