2006 年 41.3 巻 p. 121-126
本論文は、商業施設(マーケット)までの商業輸送に起因する環境負荷を定量化するフードマイルを起源とした新たな指標であるマーケットマイルを提案する。マーケットマイルは、アーティクルマイル(原産地から商業施設までの交通環境負荷定量化指標)、ショッピングマイル(商業施設からそれぞれの自宅までの交通環境負荷定量化指標)という二つの指標から成り立っている。さらにケーススタディとして、倉敷市に立地するタイプの異なるマーケットにおいて指標を適用する。分析対象マーケットのひとつは都心に立地する地産地消を謳う朝市を、そしてもう一方は郊外大型店である。分析の結果、郊外型マーケットにおけるマーケットマイルは、都心の地産地消型マーケットと比較して約2倍もの数値であることが明らかとなった。さらに、車に依存した買物行動に起因するショッピングマイルの割合は、大きいということを明らかにした。