都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
大都市部における自転車の車道上走行空間の安全性に関する研究
鈴木 美緒屋井 鉄雄
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.3 巻 p. 139-144

詳細
抄録

大都市の中小鉄道駅周辺の道路では,歩道に歩行者と自転車が混在し,今後の一層の高齢化社会を考えるとき,歩行者の安全確保が深刻な課題になる可能性は高い.しかし,大都市部には自転車専用道を新たに整備する土地の余裕がなく,自転車を安易に車道で走行させることは自転車の安全確保の点から今後も困難と考えられる.そこで本研究では,自転車の歩道走行を許したままで歩行者の安全を確保するには限界があるとの考えの下,欧米の事例に倣い,物理的な境界ではなく白線などにより車道と分離される自転車レーンの導入可能性を,自転車利用者と自動車利用者の両方の視点から検討した.自転車利用者にはCGを用いたアンケート調査,自動車利用者にはドライビングシミュレータを用いた走行安全性実験を行なった結果,自動車走行特性や選好度の面で,幅員が広くない車道に物理的な境界のない自転車レーンを作ることの有効性が示された.

著者関連情報
© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top