都市計画論文集
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ドイツにおける道路空間の再構成による都市内自転車道ネットワークの整備に関する考察
エルファディンク ズザンネ卯月 盛夫浅野 光行
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.3 巻 p. 145-150

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抄録

ドイツにおける自転車道の整備は、ノルトライン・ヴェストファーレン州の「自転車に優しい市町村連絡会議」加盟の市町村において、1990年代から新しい自転車道路の種類や整備手法等の先駆的な試みによって、面的な自転車道路ネットワークが実験的に整備された。そして、その成果を受けて1997年道路交通規則と同行政命令に、新たな自転車道整備の考え方と自転車の交通ルールが導入された。その具体的な整備にあたっては、「車道の再構成」「交通規制の緩和」「歩道の再構成」による既存道路を前提にした「道路空間の再構成」によるもので、あまり経費と手間をかけない現実的な自転車道ネットワーク整備手法といえる。この自転車道ネットワーク整備手法と案内標識などのサービスによって魅力的な交通システムが整備されたことにより、トロースドルフ市は自転車の交通量を増やしながら、自動車交通を減らした環境にやさしい交通計画を実現している事がわかった。

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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