2006 年 41.3 巻 p. 265-270
都市施設の最適配置モデルには非常に多くの蓄積があるが,時間軸を考慮したモデルは十分な研究が行われていない.本稿では,人々の時間軸上の行動パターンを考慮した最適配置モデルを提案する.具体的には,就業者が帰宅途中に立ち寄って利用する施設を想定し,施設サービスを利用可能な人数(潜在客数)を最大化する,施設の配置位置とサービス時間帯とを同時に決定する問題を考える.このように時間軸上の最適化問題も含めた施設配置モデルは見当たらない.本稿では,一次元の連続空間の都市モデルを用いて,今後様々な拡張を行うための基礎となるように単純なモデルを構成する.数値例として,いろいろなトリップ密度のもとで潜在客数を最大化する施設位置とサービス開始時刻を示す.