都市計画論文集
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都市密度とサービス業の活性度
高塚 創
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.3 巻 p. 277-282

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抄録

本研究の目的は,都市経済学的な側面から中心市街地活性化の意義を検証することである.具体的には,都心部の活動密度を高めることがサービスの質を高め,需給拡大をもたらすという仮説モデルを提示し,その検証を行った.その結果,仮説が支持されたのは,専門的なサービス業や飲食業などに限られた.これらは知識依存度が高く,企業間外部効果が期待される上,需要者の多様性や街の賑わいがサービスの質を向上させる効果もある業種と理解することができる.また,そういった都市密度の効果は,DID人口密度60人/ha以上で現出すると考えることができた.経済のソフト化が進展する中,今後はたとえ地方都市であっても,専門サービス業をはじめとする知識集約的なサービス業が重要度を増してくるであろう.都心部の密度を高める政策が,知的サービス業の育成に寄与し,ひいては当該都市の成長を牽引していく可能性は十分考えられる.

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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