抄録
本研究は、我が国における法律及び大都市部の条例に基づき建築物の緑化義務を課する法制度を研究対象とし、これらの分類、比較検討及び考察を行うことにより、今後の建築物の緑化義務を課する法制度の望ましい姿の検討に資することを目的とする。本研究では、法令に基づき建築物の緑化義務を課する制度を、その対象行為又は対象物の観点から4つに分類するとともに、規制の担保力の観点からも3つに分類した。そして、それぞれの分類及びその他の規制項目について比較・考察を行なった。その結果、建築物の緑化義務を課する制度の望ましい姿は、都市緑地法に基づく権力的手法型の制度と条例に基づく非権力的手法型の制度を併用することであることが明らかになった。