2006 年 41.3 巻 p. 631-634
本研究では,都市計画税の課税および税率の決定要因について統計モデルを用いて検討した,欧米における先行研究同様,課税および税率の決定には周辺の自治体の模倣(Mimicking)行動が見られ,同一府県内市町村の都市計画税率が1%上昇すると,当該自治体の税率は約0.11%上がるという推定結果が得られた.また固定資産税を超過税率(1.4%を超えて課している)自治体ほど,都市計画税を課税しておらず,固定資産税が都市計画税の役割を果たしている可能性が示唆された.財政力指数が高い比較的裕福な市町村ほど課税せず,税率も低い傾向がみられた.一方,都市施設や土地区画整理事業の整備水準との関連は見られなかった.都市計画税とは無関係に整備がなされている可能性がある.