都市計画論文集
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犯罪不安に関する空間的パターンと重回帰モデルによる分析
時間帯と理由を視点として
永家 忠司外尾 一則
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2006 年 41.3 巻 p. 857-862

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抄録
未だ不明瞭な部分が多く,研究の蓄積を要する犯罪不安研究について,1.犯罪不安分布の空間的パターンを分析すること。2.空間構成要素による犯罪不安の重回帰モデルを算出し関係性を明らかにすることの2点が本研究の主たる目的である。分析の結果,犯罪不安全般,時間帯別犯罪不安,理由別犯罪不安についての空間的自己相関の統計量を求めることができた。また,全てのデータによる犯罪不安は空間的自己相関がみられず,「日中」,「日没後」の時間帯において空間分布に一定のパターンを持つが,このことから「明るさ」の要因は犯罪不安を凝集させる効果を有すると考えられる。犯罪不安全般,時間帯別犯罪不安,理由別犯罪不安について空間構成要素による重回帰モデルの算出した結果,「公園」が犯罪不安の変動を促す重要な空間構成であり,「公園密度」の増加とともに犯罪不安も増加する傾向がみられた。
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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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