2006 年 41.3 巻 p. 965-970
ある生活環境要因に対する良い評価は暮らしやすさに結びつくものの,悪い評価は暮らしにくさには結びついていない場合や,逆に,ある生活環境要因に対する悪い評価は暮らしにくさに結びついているものの,良い評価は暮らしやすさに結びついていない場合のような,生活環境要因に対する評価が暮らしやすさのどちらか側にだけ関連があるような非線形の評価構造を捉えるため手法を提案した.この手法を用いて,実際の住民意識構造を明らかにするため,実際に調査を行った都市地域および農山村地域を対象にしたアンケートの結果を分析し,住民の意識構造を明らかにした.続いて,各要因に対する満足度を同時に考慮して,満足度が高く,それが暮らしやすさにつながっている要因や,満足度が高いものの,それが暮らしやすさにはつながっていない要因などの要因ごとの特性を把握した.