2006 年 41.3 巻 p. 995-1000
アメリカ・シカゴのショア銀行は、1973以来、荒廃したサウスショア地区で、銀行業務を通じて、つまりアパート所有者である地域住民への融資を通してコミュニティの再生を図る事業に取り組み「町づくり銀行」のモデルとして知られる。しかし住宅地の再生で成果をあげた同行も、地区のメインストリート・71番街の再生には難渋している。本論は、住宅地とくにパークウエイ地区の再生プロセスから「ショア銀行モデル」を整理した上で、71番街でのこれまでの取り組みの経過・現状・課題を調査によって明らかにする。そこから商店街の再生においても、ショア銀行モデルは有効であるものの、それが成功するためには、さまざまな関係主体のいっそうの協調が不可欠になるという結論を導く。