2007 年 42.3 巻 p. 259-264
再開発は都市にとって不可欠ではあるものの、様々な主体や問題を含み、周辺地域に対する影響が大きいと考えられる、慎重に行われるべき事業である。これまでに様々な手法でたくさんの事例が実施されてきており、既往研究も多いがそれらは手法ごとに行われており様々な手法の事例が横断的に研究されていない。そこで本研究では東京都区部におけるさまざまな手法の再開発の事例を整理しデータベースを構築することにより、周辺地区も含めた現況の把握を行い、再開発の対象地区と周辺地区の地域特性変化を明らかにすることを目的としている。データベース構築にはGISを用い、土地利用現況・建物用途現況のデータから容積率の充足度やその変化に着目し、分析を行った。分析の結果から、再開発の対象地区では、再開発と無関係な地域と比べると、再開発の事前事後で有意に高度利用化や木造住宅の減少し、周辺地区でもそのような傾向を示すことが示唆された。また地域特性の変化をパターン化することにより変化の程度は立地特性と関係があることが明らかになった。