都市計画論文集
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阿波踊りにおけるパフォーマンス空間の変容に関する研究
坂東 裕介木下 光丸茂 弘幸
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2007 年 42.3 巻 p. 31-36

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抄録
阿波踊りのパフォーマンス空間は、利用される公共空間や運営管理、仮設の装置、踊り集団によって一丁廻り期、桟敷及び審査場・競演場期、演舞場期、演舞場・街角踊り期の4つに分けることができる。一丁廻り期、その踊り範囲は、藩政期は町民地、明治期以降は市内全体へと広がった。踊り集団は地域に帰属するコミュニティで形成され、地域の街路や空地で踊った。桟敷及び審査場・競演場期は、阿波踊りが観光化し、踊り手・見手の関係をつくる仮設の装置を作った。このことによって、踊りに「見せる」・「見る」の意識がうまれた。演舞場期は運営組織や管理体制が統一され、さらに阿波踊り全体の規模や個々のパフォーマンス空間を大きくすることができた。また公園や道路整備が進んだことによって、道路以外のパフォーマンス空間も多くつくられた。
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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