都市計画論文集
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郡上八幡における歴史的資源調査
歴史的資源を活かしたまちづくりにむけた歴史的建造物悉皆調査
齊藤 知恵子三浦 卓也
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.3 巻 p. 439-444

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抄録

郡上市八幡町の市街地は川や水路を有する城下町として、また歴史的な町並みとして知られており、個々の建造物や町並み保存、景観形成に関する調査では市街地の一部や主要な通りについて町並みの調査はされてきた。本調査は歴史的資源を活かしたまちづくりに向けてた基礎調査であり、歴史的建造物(町家を中心とする伝統的な工法で建てられた築50年以上と思われる建造物)を46町内の路地を含めて153haで網羅的に実施した。調査結果では1200棟を超える歴史的建造物が確認でき、なかでも16町内地17.8haでは5割以上歴史的建造物が残存しており、その数は500棟を超える。歴史的建造物のなかには町家建築がそのほとんどをしめ、その意匠細部には建物により格子、袖壁、幕板、蔀戸などがみられ、軒構造には板庇、垂木、出桁、軒天井に多様な種類があった。今後は町並みの特徴だけでなく、間取りや工法なども調査研究が望まれる。

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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