都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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都市空間との関連からみた府県市庁舎の保存要因と保存手法に関する研究
近世城下町を基盤とする府県庁所在都市を対象として
松浦 健治郎二之湯 裕久巌佐 朋広浦山 益郎
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2007 年 42.3 巻 p. 445-450

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抄録

本研究は、近世城下町を基盤とする府県庁所在都市30を対象として、戦前の府県市庁舎が敷地内に保存された場合に、1) 城下町基盤を活用した都市デザインが影響を及ぼしているのか、2) 新庁舎をどのように増築しているのか、を明らかにするものである。明らかとなったのは、1) 「建築空間」の保存については、建築的条件(罹災が無いこと・耐火造・建築年が昭和以降)と立地的条件(敷地面積)が主要な要因となっていること、2) 「都市空間」の保存については、都市デザイン的条件(主要街路のアイキャッチ・堀沿い等)が主要な要因であること、3) 庁舎を保存するための工夫として、「新庁舎の高層化」・「重要な部分の保存」・「新庁舎を郊外に移転」の3つの手法が確認されたことである。

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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