医療情報学
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診療ガイドラインおよび関連する医療情報を提供するMindsシステムの利用に影響する因子
佐藤 康仁吉田 雅博山口 直人
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2008 年 28 巻 1 号 p. 39-46

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抄録
 Minds(Medical Information Network Distribution Service)は,診療ガイドラインおよび関連する医療情報を提供するWeb上のデータベースシステムである.Mindsを定期的に利用している者の特徴を明らかにすることで,診療ガイドライン等の医療情報を提供するWebデータベースシステムに求められる要件を明らかにすることができると考える.
 方法:対象はMindsのユーザ登録者とした.調査は2006年3月から4月にかけて実施した.アンケート調査への協力のお願いは電子メールで送信し,Webサイトにて調査を実施した.解析では,はじめに,定期的アクセスに関連する因子の探索をカイ二乗検定で行った.続いて有意差のみられた因子と定期的アクセスとの関連をロジスティック回帰モデルで分析した.
 結果:コメディカルでは「患者・家族への説明のため(Odds ratio=2.05)」「Webサイトの使いやすさの満足度(OR=3.07)」に定期的アクセスと有意な関連が観察された.医師・歯科医師では「患者・家族への説明のため(OR=2.13)」「最新情報取得のため(OR=1.72)」「Mindsを診療に利用している(OR=2.88)」「Webサイトのコンテンツの満足度(OR=2.31)」に定期的アクセスと有意な関連が観察された.
 結論:定期的にMindsを利用する者は,診療の現場において利用している者が多いことが明らかとなった.一方で,診療の現場ではインターネットへの接続が難しい場合が多い.今後は,インターネットに接続しない状態で情報提供を行う仕組みについても考慮する必要がある.
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© 2008 一般社団法人 日本医療情報学会
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