都市計画論文集
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曖昧な境界を有する離散ボロノイ図の特徴
奥 俊信
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.3 巻 p. 463-468

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抄録

ボロノイ図の既往研究では,明確にボロノイ領域に分割することに焦点があった.そこではボロノイ図は境界線として表される.それに対し本研究ではボロノイ領域の境界に注目し,曖昧な境界すなわち母点からの距離差に幅をもたせた境界を検討した.ここではボロノイ図は境界領域として表される.曖昧な境界を設定する具体的意義は,都市での施設の圏域を考えた場合,その境界は曖昧であり距離差に許容範囲をもっていると想定されるからである.さらにボロノイ図の空間を正方格子状に分割されたセルの集合とした.セルの位置座標は離散値となるので離散ボロノイ図となる.また空間領域はセルの集合となるので,計算のアルゴリズムが簡単あり,面積もセルを集計することで容易に求めることができる.本研究では距離概念として,ユークリッド直線距離,格子状直交距離(マンハッタン距離),放射環状距離(カールスルーエ距離)の3種類を取りあげた.また距離差として絶対距離差と相対距離差の2種類を考慮した.そして成長モデルによる計算アルゴリズムで離散ボロノイ図を作成しその特徴を検討した.

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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