本研究は、東京23区における事業所と従業員数において大きな増加が見られ、新たな業務地を形成している地区に着目し、その地区が、どのような立地条件の下で形成され、また、どのような企業の集積が進んでいるのか調査・分析を行い、その特性を明確するものである。そして、従業員数の増加の激しい地区を12地区選定した。その地区は都心周辺部、新宿副都心周辺部、臨海部、内陸部の地区である。地区の特性として、交通条件が良いこと、まとまった未利用地があること、開発事業が行われている、そして、大規模なオフィスビルの供給があること。がわかった。また、地区に立地する企業の特性として、既存の業務集積のある都心及び副都心からいてした大企業本社及び関連企業、そして、成長産業であるIT、サービス系企業により集積が生じていることが明確となった。そして、新業務地の形成は、都心部及び副都心の「にじみ出」拡大現象と、業務の「飛び地」的拡大現象が生じており、業務機能の再編が進行している。