抄録
本研究では、岐阜県美濃加茂市および富加町での特定用途制限地域の指定事例を通じて、制度制定から約7年が経過した特定用途制限地域を活用した地方中小都市の非線引き都市計画区域の土地利用コントロール策について示唆を与える事を目的とする。美濃加茂市および富加町では、高速道路のインターチェンジ建設を機に、地区住民が周辺の土地利用に対する関心を持ち、規制手法や内容の設定の場面で、積極的な役割を果たして特定用途制限地域が指定された。この事例より、特定用途制限地域は非線引き都市計画区域の用途地域外で地域の実情に合った規制誘導方策として有用であり、特に住民発意の土地利用コントロール策として活用できるという知見を得ることができる。