都市計画論文集
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市町村都市計画マスタープランの記述とその実現における解釈と運用実態
金沢市を事例として
高木 一典川上 光彦
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.3 巻 p. 811-816

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抄録

本研究においては、各種都市計画実施における市町村MPの望ましい記述を意味役割等の言語的な方法で定め、その記述と実際の市町村MPとの相違から、各種の都市計画を実施する際に行われていると考えられる解釈を明らかにすることで運用の実態を把握した。各種の都市計画の市町村MPにおける記述の状況は、単一具体、複数具体の2タイプに分けられた。単一具体は施策を位置づけやすい抽象的な表現が記述されていた。特に用途地域の方針では、表現に従った適切な解釈が概ね行われていたが、実際の土地利用等によっては、市町村MPと整合しにくい用途が指定されている場合があった。複数具体では、具体的な意味役割が複数記述されており、解釈の不要な記述が含まれていた。この関連記述群には、望ましい記述ではない表現をあえて付記することで市の姿勢を明示しているものが見られた。また、単一具体の中には市町村MP策定以降に創設された都市計画を位置づける単一具体・準用がみられたが、金沢市では新規事業であっても市町村MP当初の考え方を準用しながら運用されていた。

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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