2007 年 42.3 巻 p. 847-852
1990年代に、日本では、都市・地域計画の主体として広域連合制度の活用が期待されたが、その後中央政府により市町村合併が強力に推進された。本論では、都市・地域計画の観点から「平成の市町村合併」を評価することを目的とする。そのために「合併」と「連合」の相違に着目して、(1)圏域、(2)合併前後の都市・地域計画の変化、(3)主体、(4)都市内分権の4つの評価視点を設定した。結論として、(1)では、合併区域は実態の都市圏と整合する形では行われていないこと、(2)(3)(4)ではさいたま市の事例から、広域的観点からの地域整備が行えるようになった一方で、地区レベルの住民の意思の反映等が課題であることがわかった。