抄録
本研究は、近世から昭和に至るまでの繁栄の基盤を持ち、その間様々な変化によって現状では雑然で無個性に見える細街路景観を持つに至った地方小都市を対象として、細街路の景観の特徴を把握し、都市の歴史的文脈と関連づけて景観的特徴の成因を把握することを目的とした。本研究の結論は以下のものである。本研究の結論は90路線の景観を整理し、13の特徴的な細街路の景観グループを抽出できた。抽出した細街路景観の歴史的文脈を検討し成因を明らかに出来た。結果、明治、昭和中期を境界とした3期の歴史と景観を重ねた結果、近世の基盤を持つ地区の街路とそうではない地区の細街路の景観の違いが特に顕著なことが歴史的文脈を検討することで理解できた。