都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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韓国における開発行為許可制の仕組みと運用実態に関する研究
京畿道の事例を中心に
李 起培金 済國中井 検裕中西 正彦
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 43.1 巻 p. 72-77

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抄録

韓国では2003年より開発行為許可制が導入された。この制度は都市行政に大きな裁量権を付与することとなるため、基準の適切さ、運用の適正性、手続の合理性を確保することが重要である。しかし総合的な運用状況や問題の実態把握はされていない。本研究は首都圏京畿道を事例に、制度の運用実態と問題点を明らかにし改善の方向性を考察するものである。調査・分析の結果、京畿道では3年間で5万件の開発審査が行われていることがわかった。しかし、許可基準は抽象的な項目が多いこと、市郡の裁量によって判断されるケースも多く、そのようなケースでは行政審判などにつながりやすいことなどもわかった。これらのことから、市郡の特性に合わせた具体的な許可基準の設定、体系化した運用システムの構築などが改善すべき点として挙げられる。

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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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