都市計画論文集
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公営住宅における外国人居住の実態に関する研究
稲葉 佳子
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キーワード: 外国人居住, 公営住宅, 実態
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2008 年 43.1 巻 p. 66-71

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抄録
本研究は、国土交通省が実施したアンケート調査から、公営住宅における外国人居住の実態を把握し、外国人居住に伴う問題点および対応・取り組み状況を明らかにすることを目的とする。外国人は、関東・中部地方の公営住宅を中心に居住しているが、その出身地域によって、どの地方の公営住宅に居住しているのか傾向が異なる。都道府県の半数で公営住宅への外国人の入居が増えており、外国人が集住する団地のある都道府県は全体の2/3に達する。住宅管理上の主な問題点は「ゴミの出し方・不法投棄」「室内での生活騒音」「屋外での生活騒音」「無断同居・転貸など」の4点である。コミュニティ上の問題点は、主に「コミュニケーションが図れないこと」と「自治会活動への不参加」である。これらの問題に対して団地自治会は、外国人との交流促進や外国人と共に共生に向けた取り組みを行っていることが把握できた。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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