都市計画論文集
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43.1 巻
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  • 街路空間の役割の視点から
    寧 碧波, 田 偉利, 川上 洋司
    2008 年 43.1 巻 p. 1-9
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では中国・西安市において整備に直面している北院門歴史地区を対象とし、アンケート調査に基づき、生活実態と歴史的街路空間の関わり、生活環境満足度とその構造、整備意向等を明らかにすることを目的とする。まず、歴史地区内の中心街路空間は地区住民の多様かつ主要な生活の場として重要な役割を果たしていることを明らかにした。次に、生活環境満足度において、「利便性」が最も分散の大きい評価軸であり、次いで「歴史・コミュニティ」軸、「物的快適性」軸となっており、この3つの軸によって評価空間が形成されていることを実証した。そして、特に、「歴史・コミュニティ」評価において、種々の属性間で有意差があり、地区と関わりが強い程満足度が高いこと、中心街路空間整備に対しては6割以上の住民が保護意向を持っていること等を明らかにした。最後に、以上の結果を踏まえ、北院門地区という歴史的地区内の街路整備の課題と方向性を考察した。
  • 中岡 義介, 川西 光子
    2008 年 43.1 巻 p. 10-15
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    この調査は、ブラジルの都市に特徴的にみられる市街地整備事業であるコンジュント開発について、(1)コンジュント開発地における初期投資はいかなるものか、(2)都市インフラレベルおよび住居レベルの2レベルにおいて、いかなる変容を見せているか、(3)それを実現させる条件は何か、を明らかにするための資料を収集するために行ったものである。調査項目は、(1)コンジュント開発地の分布、(2)各コンジュント開発地の開発諸元(開発年次、住宅型、住宅建設戸数、建設地域、融資)、(3)分譲後の開発地の状況、(4)分譲後の住宅の増改築の状況、(5)支援状況(定住と発展を支援する外的条件、である。その主たる結果は、(1)最初の住宅シーズは最小限住宅に相当するものになっていること、(2)それを自助により整備していく支援体制が種々に備えられていること、(3)これらの住宅による市街地形成に対しては特別のインフラ整備を用意しなくてもよいこと、である。
  • 青木 伊知郎
    2008 年 43.1 巻 p. 16-21
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    建築物の高さを規制することは、日照・眺望の確保や圧迫感の低減、調和のとれた街並み形成など、市街地環境や景観の保全・形成等に一定の効果が見込まれるが、一方、土地利用を制限することによる利用可能容積の減少や建築の自由度の減少など、経済活動への影響も考えられる。したがって、規制の導入や運用に際しては、規制によるプラス・マイナスの両面を考慮し、総合的に見て規制が妥当かどうかを判断することが望まれる。本研究では、近年増加している絶対高さ制限型高度地区による規制の効果と、多くの高度地区に見られる制限緩和規定の適用により中高層マンションが立地した場合の外部効果について、ヘドニック法により費用便益分析を行い、高さ制限の妥当性について知見を得ることを目的とする。本研究による費用便益分析の結果、絶対高さ制限は導入後の年数の経過によりプラスの効果が現れること、制限緩和規定の運用によってマイナスの周辺外部効果が生じ、周辺環境や景観を悪化させる場合があることがわかった。
  • 群馬県前橋市を事例として
    伊戸川 絵美, 湯沢 昭
    2008 年 43.1 巻 p. 22-27
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文は、地域コミュニティにおける安全・安心まちづくりのための自己診断評価モデルの構築を行ったものである。自己診断評価モデルとしては、コミュニティ活動モデル、地域防災活動モデル、地域防犯活動モデルの3種類を構築し、併せて三者間の関連性についても検討を行った。モデル化に当たっては、共分散構造モデルを採用し、観測変数と潜在変数間のパラメータの推定を行い、評価モデルを作成した。なお,観測変数は、ソーシャル・キャピタルの観点から決定した。構築した評価モデルを用いて、前橋市の自治会を対象とした事例研究を行った結果、地域防災活動に関する評価が極めて低く、また地域コミュニティ活動と地域防災活動、及び地域防犯活動との間には明らかな相関関係が認められた。
  • 坂内 陽子, 姥浦 道生, 赤崎 弘平, 和多 治
    2008 年 43.1 巻 p. 28-33
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    市街化区域と市街化調整区域を区分する区域区分制度(線引き制度)は1968年の都市計画法の改正後に土地利用の最も基本的なコントロールツールの一つとして多くの都市計画区域で利用されている。この目的は、市街化調整区域におけるスプロール的開発を抑制しつつ市街化区域を集中的かつ計画的に整備・開発することによって、効率的な社会資本整備を達成することにある。2000年の都市計画法の改正に伴い、この線引き制度は選択制となり、いくつかの都市計画区域で撤廃された。本研究の目的は、東予広域都市計画区域を事例として線引きの廃止の背景、開発動向への廃止の効果、土地利用上の課題の3点を明らかにすることである。
  • 三輪 富生, 山本 俊行, 森川 高行
    2008 年 43.1 巻 p. 34-41
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    我が国の都心部においては、依然として自動車交通量の増加による深刻な交通渋滞が問題となっている。特に、都心流入車両による駐車場入庫待ち行列や違法駐車、うろつき走行等の駐車行動により渋滞が発生するケースがしばしばみられる。そこで、本研究では,駐車行動をより適切に表現可能な行動モデルの構築を目指し、離散選択行動と連続量選択行動の相互依存関係を統一的に取り扱うことが可能な離散―連続モデルを、駐車時間と駐車場所の同時選択行動に適用した。特に、従来の一般的な推定方法におけるパラメータ推定値の不整合性を克服しつつ、選択肢別抽出データを用いてより適切にモデル構築を行うことを試みる。構築したモデルを用いて駐車料金施策の路上駐車削減効果を分析した結果、駐車場所および駐車時間選択行動を個別にモデル化する場合と比較して、詳細な分析を行うためには、離散―連続モデルに基づく駐車行動のモデル化が適切であることを示した。
  • 森山 長和, 中村 隆司
    2008 年 43.1 巻 p. 42-50
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    人口減少化時代の到来や地方分権化の要請を受けて、2000年に都市計画法の抜本的な改正が行なわれた。これを機に、従来の市町村マスタープランに加え、都道府県が都市計画区域マスタープランを全ての都市計画区域毎に策定することとなり、都市計画マスタープランは、制度として充実した。しかし、同一区域について都道府県と市町村がマスタープランを策定することになり、両者の役割分担と相互調整が重要な課題となっている。そこで本研究では、都市計画マスタープランについての都道府県と市町村との調整についての実態と今後の課題について、1) 計画内容の整合性、2) 将来人口の目標設定、3) 区域区分の判断基準での調整に視点を置き検討した。
  • 權 載鉉, 海道 清信, 福島 茂
    2008 年 43.1 巻 p. 51-59
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究はこの研究は、日本の47都道府県での知識サービス産業(KBSIs)の集積とその地域要因の関係を考察した。知識サービス産業は大都市圏に集中することと、知識サービス産業の集積には地域のGRPの高さと一人当たりGRPと豊かな地域文化度が影響することが明らかになった。しかし、東京と大阪へのストロー効果によりその周辺地域では知識サービス産業の集中が低い。製造業はある業種の知識サービス産業の集積に影響するが、製造業により希薄化される部分が大きいため、知識サービス産業の集積に製造業の影響はそれほど大きくないと考えられる。
  • 人間の「好き嫌い」と地域特性に着目して
    谷口 守, 松中 亮治, 山本 悠二
    2008 年 43.1 巻 p. 60-65
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、生物保全の取組の実態を明らかにすることを目的としている。具体的には、農林水産省が実施した生物種保全に対する実態調査結果に記載されている取組1,575件を対象とし、これまで研究のなかった保全対象生物とその地域特性との関連を分析する。地域特性は人口密度、林野率によって市区町村を5つに分類し分析を行う。また独自に実施した人間の生物に対する「好き嫌い」アンケートを使用し、人間の「好き嫌い」が保全取組に与える影響を分析する。生物保全の取組においては、人間の「好き嫌い」、地域特性が大きく影響していることが明らかとなった。
  • 稲葉 佳子
    2008 年 43.1 巻 p. 66-71
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、国土交通省が実施したアンケート調査から、公営住宅における外国人居住の実態を把握し、外国人居住に伴う問題点および対応・取り組み状況を明らかにすることを目的とする。外国人は、関東・中部地方の公営住宅を中心に居住しているが、その出身地域によって、どの地方の公営住宅に居住しているのか傾向が異なる。都道府県の半数で公営住宅への外国人の入居が増えており、外国人が集住する団地のある都道府県は全体の2/3に達する。住宅管理上の主な問題点は「ゴミの出し方・不法投棄」「室内での生活騒音」「屋外での生活騒音」「無断同居・転貸など」の4点である。コミュニティ上の問題点は、主に「コミュニケーションが図れないこと」と「自治会活動への不参加」である。これらの問題に対して団地自治会は、外国人との交流促進や外国人と共に共生に向けた取り組みを行っていることが把握できた。
  • 京畿道の事例を中心に
    李 起培, 金 済國, 中井 検裕, 中西 正彦
    2008 年 43.1 巻 p. 72-77
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    韓国では2003年より開発行為許可制が導入された。この制度は都市行政に大きな裁量権を付与することとなるため、基準の適切さ、運用の適正性、手続の合理性を確保することが重要である。しかし総合的な運用状況や問題の実態把握はされていない。本研究は首都圏京畿道を事例に、制度の運用実態と問題点を明らかにし改善の方向性を考察するものである。調査・分析の結果、京畿道では3年間で5万件の開発審査が行われていることがわかった。しかし、許可基準は抽象的な項目が多いこと、市郡の裁量によって判断されるケースも多く、そのようなケースでは行政審判などにつながりやすいことなどもわかった。これらのことから、市郡の特性に合わせた具体的な許可基準の設定、体系化した運用システムの構築などが改善すべき点として挙げられる。
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