2008 年 43.3 巻 p. 253-258
本研究は、今後の活性化策として注目されている地域間交流を、四国地域において観光を目的とした流動に着目し分析を行った。訪問先の滞在時間によって変化する訪問先での経済的な消費額に着目し、地域間交流が訪問先に与える影響を計量的に評価する指標を提案した。また、効用最大化理論に基づき行動モデルを導出することで、地域間交流モデルを定式化し、このモデルのパラメータ推定を行った。そして、モデルを用いた分析により、地域間の旅行費用や目的地における魅力、地域間に存在する連携が地域間交流に及ぼしている影響を明らかにした。さらに、高速道路整備を政策とする、今後の地域間交流影響度のシミュレーションを行った。