抄録
本研究は、都市計画を通じたCO2排出量削減のあり方を、経済活動を牽引する役割と環境負荷低減の両方を行う必要性の高い首都でいかに行うか、ロンドンでの取り組みを通じて考えることを目的とする。日英は計画制度、開発圧力等に違いがあるが、首都が経済社会ニーズに応えつつ、環境負荷低減をいかに行うか、本研究の成果が、早急に対処する必要性のある都市づくりにおける環境負荷低減の方向性を考える上での一助となることが望まれる。本研究の構成は以下の通りである。まず、ロンドンにおけるエネルギー有効利用実現のための政策の枠組みを明らかにする。次に、ロンドンの開発圧力とCO2排出量の関係から地域の特性を明らかにした上で、ロンドン市によるCO2排出量低減のための個別開発指導と面的エネルギー有効利用を図る指定地域の意味を分析する。最後に、これらを踏まえ、東京の都市計画がいかにCO2排出量削減のための取り組みを行うべきか議論する。