都市計画論文集
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英国におけるリースホールド制度を用いた住宅地開発と管理の実態と課題 -レッチワースガーデンシティにおけるビルディングリースの役割-
中城 康彦齊藤 広子
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2008 年 43.3 巻 p. 367-372

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抄録
定期借地権を利用した良好な住環境の戸建て住宅地の開発・管理手法を考察するために、英国のリースホールド制度の利用と変遷についてまとめた。19世紀後半から用いられるようなったビルディングリースは建築費用を借主が負担する点で定期借地権と類似性をもつ。開発事業者の資金不足を補う方法として用いられたが、99年の期間の後半における融資の問題や満了時の公平の問題のために1967年法が立法された。ビルディングリースの資料が多く残るレッチワースガーデンシティを調査対象地とし、リースホールドの利用と変遷をみた。リースホールドは地代収入による都市経営とカベナントによる住環境コントロールの両面をもつものであったが、1967年法によりフリーホールド化が進んでいる。これに対してカベナントの内容を継承する管理規則の認可を受けた。1967年法にもかかわらず、現在の管理者である財団はリースホールドで新規住宅供給を行っている。カベナントによる住環境コントロールは現在でも都市経営の重要な手法である。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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