都市計画論文集
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居住者ライフステージの変化に基づく住宅団地ライフサイクルのモデル化
伊勢 昇日野 泰雄
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2008 年 43.3 巻 p. 493-498

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抄録
わが国の郊外住宅団地は、同じような世代が同じ時期に入居するといった独特の特徴を持つ。そのため、居住者の年齢層に偏りが生じ、時間経過とともに、居住者のライフステージの変化によって、住宅団地全体のライフステージが一変することが予想される。一方で、開発時期に対応して、主たるライフステージが異なるため、各団地で居住者のニーズも異なり、単一の施策では対応が難しくなる。そこで本論文では、居住者の生活様式が、住宅団地開発時期ごとのライフステージによって変化することをアンケート調査データの分析から明らかにすることを目的とした。その結果、居住者のライフサイクルにあまり差はみられないものの、開発時期によって主たるライフステージが異なることが明らかになった。また、その結果に基づいて団地開発からの時間経過に伴うライフステージの変化をモデル化し、将来の予測を試みた。これにより、開発時期の異なる住宅団地における将来の居住者属性を把握することが可能になり、その居住者属性の変化に伴う移動ニーズへの対応などに有用であることを示した。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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