都市計画論文集
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まちづくり事業体としてのコミュニティ組織の実行性に関する研究
三重県名張市の地域づくり委員会を事例として
松浦 健治郎藪崎 奏菜浦山 益郎
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2008 年 43.3 巻 p. 511-516

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抄録
本研究は、地域予算制度によってコミュニティ組織に財源移譲を実施している名張市を対象として、名張市の地域予算制度の成果と課題を解明した上で、まちづくり事業体として実行力のある事業展開が可能な条件を明らかにすることを目的とする。地域予算制度はコミュニティ組織の組織化と彼らが地域課題の解決に取り組むきっかけになったが、次のような成果と課題が明らかになった。1)地区毎に事業内容の採択や予算配分に裁量がある。しかし、2)地区の資源や住民が感じている問題点を把握し、具体的な事業に展開していく必要があるが、コミュニティ組織によって対応力に差があること、3)ある程度の人口規模がないと空間整備事業や地域サービス事業に十分な予算が配分できないこと、4)コミュニティ組織間の連携を促す仕組みがないこと、5)事業の実施能力を高めるために、ボランティアグループとの連携を高めること、6)予算規模を確保するために収益事業の展開などが課題となる。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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