都市計画論文集
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法律システムからみたイタリアにおける文化的景観の保存
ダリオ パオルッチ マッテオ
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2008 年 43.3 巻 p. 529-534

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抄録
この論文は文化的景観保護の起源と、その時代ごとの文化的景観の価値の捉え方の違いについて研究したものである。時代を通じ、文化的景観の価値観は変化してきた。文化的景観保護の分析方法は、法律システムに基づいている。この論文では19世紀から現在に至るまでの文化景観保護のアプローチの変化を指摘している。19世紀の終わりから20世紀の中頃までの初期段階においては、中央政府による文化的景観保護を重視していた。20世紀後半からは、州政府による文化的景観保護を新規に設け、文化的景観保護は州政府の景観計画に関連づけられた。現在は美しい景観保護の拡大と社会へ認識させる運動の促進を、州政府と県が行ない、これによって中央政府による文化的景観保護の重要性は減少していきました。最後に、19世紀から文化的景観の価値は常に変化しつつ、景観価値を保護する主要機関も変化し、これによって文化的景観保護を実施するための地方の独自性も必要になったことを指摘している。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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