抄録
現在、社会資本ストックの活用として、既存公園の再整備が都市計画における一つの重要な課題となっている。本研究では、札幌市における都市公園の再整備事業の経緯とその内容について、大通公園、中島公園、美香保公園に着目しながら明らかにし、都市公園再整備の変遷について考察することを目的とする。都市公園の再整備の流れとして、都市のアメニティの重要性が問われるようになった昭和50年代以降、国の積極的な補助事業等を受け進められた大規模都市公園の再整備と、厳しい財政状況の中各自治体によって行われる、近年増加する老朽化した中小規模都市公園の再整備の2つの流れがあり、それぞれの手法に違いが見られることが明らかとなった。今後は、増加が予想される中小規模都市公園の効果的な再整備の手法、さらに近年試みられ始めた大規模公園再整備における市民参加の手法が検討されるべきであると考える。