抄録
本研究では、航空機MSSデータを用いて樹冠の表面温度を分析することにより、小都市のヒートアイランド現象を把握することを目的とした。対象地としては富山県砺波平野の砺波市街地周辺を取り上げた。まず、砺波平野に分布する屋敷林樹冠の天頂部における熱収支を検討し、樹冠天頂部の表面温度が気温にほぼ等しいことを示した。その上で、リモートセンシングデータを用いて樹冠天頂部の表面温度を抽出し、砺波市街地とその周辺の気温分布図を作成した。得られた気温分布図と表面温度分布図から、砺波市のような小都市においても、ヒートアイランド現象が発生していることが示された。さらに、市街地で暖められた空気が風下側に運ばれ、市街地風下において気温が高くなっていることが示された。