2009 年 44.3 巻 p. 391-396
この研究の目的は、《滞在空間》の実態把握と特徴分析である。東京の主要な繁華街:浅草、銀座、原宿、上野、池袋、新宿、および渋谷を対象に、都市の魅力をつくるという観点から《滞在空間》の立地の特徴と空間の状況の分析をした。これまで、物理的な座るための装置を分析した研究等はあるが、そういった物の状況ではなく、「見る―見られる」の関係といった来訪者の相互関係によって成り立つ場所に焦点をあてた研究はない。この研究では、街中に多様なバリエーションの空間タイプがあることを明らかにした。また、滞留空間の集積が、街への訪問者の視体験を豊かにすることを分析し、それが都市の魅力を牽引し得ることを明らかにした。