都市計画論文集
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川越一番街における歴史的環境の変容に関する研究
歴史的建造物の保全にみる敷地用途と街並みの変化に着目して
清野 隆
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 44.3 巻 p. 385-390

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抄録

本研究は川越一番街における歴史的建造物の保全について、保全活動、歴史的建造物の敷地用途とその変化、歴史的建造物の外観の変化を調べ、歴史的建造物の保全が歴史的環境に及ぼす影響を考察し、以下の結論を得ている。(1)川越一番街では歴史的建造物の保全対象を拡大してきたことが、保全制度の整備面と保全制度の適用状況において確認される。特に、主要な通りから望見できない歴史的建造物の保全が増加している点に特徴がある。(2)川越一番街の歴史的建造物104件は、49の敷地に立地している。その敷地用途としては、商業併用住宅が多く、これは川越一番街の歴史的経緯に重なる特徴である。一方、敷地用途が変化している場合もあり、商業併用住宅から商業や博物館への変化も多いといえる。(3)商業併用住宅の敷地用途の変化は、歴史的建造物の保全と関連性がみられ、ナカ・オクに残されている歴史的建造物の利用方法によって異なる結果がみられる。

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© 2009 公益社団法人 日本都市計画学会
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