抄録
施設が相互にどのような立地関係になっているのかを空間的に計量的に把握することは、都市施設の立地やそれに関わる問題において重要であり、様々な分析法が研究されてきた。ところが、近来の都市施設の多様化により施設間の相互作用が複雑になり、単純に2施設の間だけでなく混在する多くの種類の施設間に存在する相互作用を総体的に把握する必要が生じてきている。一方、情報技術・計算機の急速な発達により、多量のデータを容易に入手して膨大な計算を行うことが可能になった。本研究では網羅的に東京23区の100種類の都市施設の立地分布を対象として、2つのアプローチにより施設間の相互立地関係を分析する方法を取り上げ、全ての施設を一斉に分析し、それを用いて多種類の施設間の相互立地関係の構造の総体的把握を試みることを目的とする。