都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
最短経路距離による施設の新設や移転が住民にもたらす便益の評価法
大場 亨
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2010 年 45.3 巻 p. 133-138

詳細
抄録

複数の候補地がある、住民にとって魅力度に相違がない施設を想定し、施設の増設または移転による、自宅から目的の施設までの時間短縮と移動経費の減少を貨幣評価する方法を本稿は定式化する。まず、ネットワークボロノイエリア図を用いて、同じ施設を選択する住民の領域を求める。次に、自宅から最寄りの施設までの最短経路距離の総計を定式化する。さらに、施設の新設または移転の前後のその比較から、移動時間短縮と移動経費減少の現在価値を予測する。河川に架かる橋梁が少数であるなどの場合にネットワークボロノイエリア図の領域界とボロノイ図の領域界が異なることがあることを示した上で事例分析を行い、直線距離による場合と経路距離による場合の便益評価の結果を比較する。

著者関連情報
© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top