都市計画論文集
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財政負担を考慮した市町村乗合バスの段階的運行方式の評価に関する検討
群馬県沼田市を事例として
目黒 力湯沢 昭
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2011 年 46 巻 1 号 p. 77-87

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抄録

地方都市におけるバス利用者が年々減少傾向にあり、特にその傾向は中山間地域ほど厳しいものがある。現在、地方バス路線維持のための補助制度としては、国による「生活路線維持費補助」などがあり、国と都道府県が一定比率で乗合バス事業者や市町村に補助している。しかし、バス交通以外に公共交通がない地域においては、バス路線の廃止や急激な運行内容の変化は住民にとって受け入れがたいものがある。すなわち、行政側は財政負担の削減を、住民側からはバス交通の維持が求められており、両者の要求が満足されるようなバス運行が必要となっている。本研究の目的は、市町村乗合バスを維持するための財政負担を考慮した市町村乗合バスの段階的運行方式について、地域住民のバス路線維持のための負担額の観点から分析を行うものである。定時・定路線型のバス運行を前提とした場合、財政負担額を削減するためには、一日の運行本数削減や運行時間帯の縮小、運賃の値上げ、運行日数の削減、車両の小型化などが考えられる。本研究では、できるだけ現状のバス運行方式を維持するとの前提の上で、運行方式の変更として車両の小型化と運行日数の削減に着目する。

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© 2011 公益社団法人 日本都市計画学会
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