2011 年 46 巻 3 号 p. 511-516
密集市街地では大事震災時に大きな被害が予想され、その対応は急務である一方で、「路地」という魅力的な使われ方をする空間も存在し、このような防災性能の向上と、路地の魅力とを両立する整備手法が必要である。そこで本研究では、大阪市密集市街地を例に、SpaceSyntaxを用いることで、街路パターンと路地の使われ方の関係及び街路パターンと市街地整備手法との関係を分析し、市街地整備手法のあり方を検討した。結果として、街路パターンに応じて路地の使われ方に差があることと、街路パターン分析から効率の良い整備手法が分かることを示した。この2点から、街路パターンに応じて路地の魅力を活かしながら効果的に市街地整備を行う手法に関する可能性を提示した。