抄録
タイは80年代から目覚ましい経済成長を遂げてきている。1997年にアジアの金融危機により一時停滞したものの2000年代に入ってアジアの生産拠点として再び成長軌道を歩んでいる。首都バンコクには、外資の工場立地を起爆剤として人、物が集中し、大きく変容してきている、本研究では、バンコク大都市圏について、1988年から2008年の20年間の都市変容を調査分析、考察した。調査対象としては、過去3年代の総合計画においてサブセンターとして計画されている地区を抽出し、そこに立地する商業業務機能をカウントし、1988年、98年、08年のデータを総合的に分析し、その相対的関係より考察した。従来からの集積地は規模が縮小し、拠点的な役割を担ってきた集積地は姿を消し、中規模程度の集積地が広く分散する構造に変わってきている。今後は、衰退する集積地の再開発などが課題となる。