2012 年 47 巻 3 号 p. 283-288
日本において、高齢者福祉施設計画の計画政策が重要な課題である。本研究では、関連計画政策を検討するため、エージェントベースモデルを用いてディケアセンターの需要と立地をシミュレーションすることにより、高齢者とその施設利用の将来像を提示することを目的にしている。世帯とケアサービスの事業者をエージェントとし、高齢者の健康状態によって受けられるサービスの判定、ケアセンターの選択などの行為、ディケアセンターの立地選択と建設、運営の行為をモデル化し、シミュレーションに導入し、システムを構築した。まだ、金沢市の空間データ、例えば、都市計画の情報、世帯の空間分布をシミュレーション空間に導入した。さらに、2000年から2010年の期間を対象に、シミュレーションの結果と実際のデータを比較することにより、シミュレーションの有効性を検証し、2030年までの世帯変容、ケアセンターの需要と立地をシミュレーションによって予測を行った。