2012 年 47 巻 3 号 p. 313-318
本論文では、空間オブジェクト分布間の相互関係を解析する、新たな探索的手法を提案する。既存手法とは異なり、3つ以上の空間オブジェクト分布間に対して適用可能である。また、扱うことのできる空間オブジェクトの種類も多様であり、既存研究において5種類の異なる空間オブジェクト分布に利用できることが示されている。本手法では、分布間の空間的類似性に依拠して分布群のまとまりを検出するが、類似性は局所的にも広域的にも評価することが可能であり、解析のスケールに柔軟性がある。解析結果の可視化には、グラフを用いた手法を提案する。このグラフにより、空間オブジェクト分布間の相互関係を直感的に把握することができる。また、解析結果を定量的に評価するために、数値指標を合わせて提案する。