抄録
本研究は、運送事業者を対象に実施されたアンケート調査結果をもとに、運送事業者と荷主とのパートナーシップの実態を定量的に把握することを目的としている。具体的には、まず、パートナーシップの捉え方が、運送事業者によって異なっていることを示す。次に、荷主との関係を4段階の成熟度に分類する方法を提案するとともに、これら成熟度の特徴を荷主との具体的な取引事例から把握する。さらに、共分散構造分析を適用して、荷主からの評価が荷主との関係に影響し、さらに、荷主との関係が荷主との協働行動に影響する構造を明らかにする。さらに、荷主との関係の成熟度の段階が高くなるにつれて、当該荷主と連携・協働した取り組みが増加することを示唆する。