都市計画論文集
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ワルシャワ歴史地区の復原とその継承に関する研究
文化財としての価値をめぐる戦後の議論に着目して
鈴木 亮平西村 幸夫窪田 亜矢
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 47 巻 3 号 p. 691-696

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抄録

第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けたワルシャワ歴史地区は、戦後市民の手によって復原され、現在まで継承されている。ワルシャワの戦災、そして戦時下での都市を巡る動きを捉えた上で、戦後復興の社会的背景や復原のプロセス、デザインの実態を整理し、歴史地区の復原の実態を記述した。さらに、戦後から現在に至るまでの、その継承の過程と歴史地区をめぐる議論のプロセスを整理し、いかなる継承がなされてきたのかを明らかにした。その上で、現在進行している歴史地区をめぐる動きを捉え、今後の継承のあるべき姿や課題に言及する。文化財としての都市空間の、空間だけでなくそこに投影された過去の時代の意志をも含めた価値に着目し、歴史的都市空間の継承のあり方への知見を得ることが本研究の目的である。

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© 2012 公益社団法人 日本都市計画学会
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