都市計画論文集
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GISを用いた城下町都市における道路中心ラインと山頂の位置関係に関する検証
山形県鶴岡市を対象として
佐藤 滋久保 勝裕菅野 圭祐椎野 亜紀夫
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2014 年 49 巻 1 号 p. 71-76

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抄録

我が国の城下町都市では、道路の正面に山の頂が位置している眺望が多く見られる。しかし、目視で確認されているこうした現象が、意図を持った計画や手法であったことは証明されていない。そこで本研究は、山形県鶴岡市を対象に、GISを用いた精密な計測方法を構築して、その実態を数値データを用いて解析したものである。また、日本及び東アジアの国々おいて用いられているこうした山当ての手法・現象は、山や周囲の自然に対する敬意あるいは信仰とも結びつき、自然と一体となった文化の在り方や生態学的秩序と密接に関連する都市建設の方法論の象徴的なものであるとの著者らの仮説が基本にあり、本研究はそれに対する若干の論拠としたいとの意図がある。鶴岡市における18の道路中心ラインを分析した結果、それらは旧街道や堀割などの都市骨格を形成する道路等で多くみられ、目視によって感覚的に捉えられていた「道路の正面に見える山頂」は、道路中心ラインから0.1-2.7°の範囲に存在することを確認した。

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© 2014 公益社団法人 日本都市計画学会
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