抄録
本研究は、横浜市地域まちづくり推進条例に基づき認定されたまちづくりルールを運用している12地区の分析により、運用実態と効果、課題等を総合的・実証的に明らかにすることと、日本の都市計画制度改革の観点から地域まちづくり推進条例の進化の可能性について考察することを目的とする。それまでの任意の協定が公的ルールとして認定される際の条文の見直しや地域住民への周知活動、認定を審議する推進委員会での議論といったプロセス自体のもつ意義が大きいことが明らかになったほか、地元における事前協議を必ず経ること、それらが条例にもとづき行われることにより、実際の効果も高まったことが実証された。さらに、運用のなかでより合理的な基準に変更された地区や、事後に地区計画に発展した地区があるなど、認定後の進化についても明らかにすることができた。