抄録
洪水災害の犠牲者を減らす減災を達成する上では,地区コミュニティ成員による要救助者への援助が必要である.しかし,要救護者の認知や,災害状況下での避難補助などに関する研究の蓄積は少ない.この研究では,上記の点に焦点を当てたアンケート調査を実施する.モデル分析を要援護者の年齢層別に適用したところ,彼らを認知する地区コミュニティ成員の社会経済特性に有意な差がみられることがわかった.さらに高齢の成員が多くの要援護者を認知していることが明らかとなった.すなわち,援助側の高齢者数の不足や,援助高齢者の身体能力に起因する要救護者の避難補助の限界などが懸念される.